特定看護師になった私が、10年前に「新人」としてICUに配属された話

特定看護師

2025年の看護師国家試験では、新たに56,906人の看護師が誕生した。

4月になって、その多くは「新人看護師」として働き始めている。不安と緊張を胸に、新しい職場で頑張る方々を素直に尊敬しているし、同じ看護師として、ぜひ一緒に頑張っていきたいと思う。

今回は、看護師となって10年が経過した私が、自分の「新人時代」を振り返り、

これから新人看護師として頑張ろうとしている方々に、何らかの参考になればと思いつつ、回想していこうと思う。

🟨 この記事はこんな方におすすめ

  • 新たに看護師として働き始めた方
  • 若手でICUに配属になった方

今回は、以下の内容でご紹介していく。

先輩看護師が新人看護師に求めていること

病院に勤務していて感じることは、日本は確実に高齢化していること、そして入院患者も高齢化していることだ。毎日ただただ慌ただしく忙しい。

施設の特徴によるところもあるが、何が大変かって、高齢者のADL介助である。

これは私の肌感覚だが、90歳を超えた高齢者の入院割合は年々増加傾向にあるように感じている。

医療施設は、これまで以上に専門性を求められるようになってきた。

特に急性期病院では、「高度医療」を提供しつつ「入院期間を短縮させよ」と来たもんだから、そこで働く者が忙しいのは目に見えている。各施設が専門性を高めることは確かに理想的だし、日本の医療費問題的にもある程度仕方ない、とも思う。

私の勤務する職場にも、毎年数名の新人看護師が配属となる。そこで先輩となる看護師たちは、新人看護師に何を求めているのか

それは意外かも知れないが「戦力となるスキル」ではなく、「社会人基礎力」である。つまり、普通に挨拶ができる、人の話が聞けるといったことである。

これが欠如していると、「看護師」としてのスキルを教育する他に、「社会人とは」を教育しなければならないのだが、現場でバタバタ働く先輩看護師たちに、はっきり言ってそんな時間的猶予はない。

ぜひこれから部署の配属が決まるという方は、まずは「きちんと挨拶ができるか」という部分から心掛けることをお勧めしたい。

新人看護師のICU配属はありか、なしか

少し話が逸れたため、本題に戻していく。新人看護師のICU配属は果たして良いのだろうか。

いずみパパ
いずみパパ

「新人でいきなりICUはやめておけ」という言葉もよく耳にします…

それに対して、私個人の見解としては、新人看護師のICU配属は「あり」である。

その理由として、「ICUは看護師を大いに成長させるてくれる部署」だと感じている。これには私の実体験が強く影響しており、実際に私の初めての配属部署がICUだったのだ。

🟨 ICUの特徴

  • 診療科が限定されない
  • 重症患者の看護経験が積める
  • 人工呼吸器など機器の扱いが得意になる

いわゆる一般病棟では、仮に混合病棟であっても、基本的には診療科が限定されている。

そのため、関わる患者や疾患が限定され、どうしても「知識の偏り」が発生する。一方でICUの場合は、対象患者は多岐に渡り、カバーしなければならない「知識の幅」は広い。

看護師として長く働きたい、と考えている人にとっては、最初にICUを経験しておくことはその後のキャリアにも大きなメリットがあると考えて良いのではないだろうか。

その反面、相当の苦労は覚悟しておく必要がある。実践経験のない新人看護師が、いきなり重症で緊急度の高い患者を担当することになるので、苦労やリスクは当然大きくなる。

診療科を限定しない幅広い学習に加え、医療機器の管理や重症患者看護を同時に習得することが求められるため、配属から数年間は「修行」のような日々を想定しておくことをお勧めする。

とはいえ、私も入職から約10年間をICUで過ごすことができた。

経験を重ねるごとに、重症患者看護や疾患・治療の特徴を理解することができたし、業務面でも「慣れる」ことで徐々に「働きやすさ」を感じることができるようになった。

今となっては、貴重で有意義な時間を過ごすことができたと感じている。

ICU配属後に、私が取り組んだ学習法

いざ患者を前にすると、学校で学んできた知識だけでは到底太刀打ちできないことを痛感した。

看護師免許を取得するため、学生時代に一応はそれなりに勉強をしたわけだが、国家試験の勉強は所詮「土台」にすぎないということを思い知った。

そんな私が新人時代に取り入れた学習法は、シンプルに「書籍の読み漁り」だった。

「今時そんなこと…」と思うかも知れないが、体系的に学ぶためにはやっぱりこれが1番効果的だったように思う。

部署で求められる情報が網羅的に書いてある書籍を用意し、夜勤前後や休日にひたすら読む、というのを2年間ほど続けていたように思う。

最初は、そこまでハードルの高くないシンプルな書籍から始め、慣れてきたら徐々にボリュームのあるものへ移行していくという感じだ。これにより、ICUの看護師に求められる知識は、それなりに頭の中に収めることができたように思う。

🟨 実際に活用した書籍

🟨 私の周りで人気だった書籍

一般病棟での看護師経験はやっぱり必要か?

結論から言うと、「ないよりはあったほうがいい」と言うのが、今の私の答えである。

🟨 一般病棟を経験するメリット

  • 「入院〜退院」まで一般的な流れが分かる
  • みんなが想像する「看護師」の働き方ができる
  • 患者の「療養生活や退院支援」の重要性が分かる

一般病棟で看護師がカバーしている業務範囲は想像以上に広い。

メリットを3点ほど挙げてみたが、当然これ以外にも挙げればキリはない。それでもICUから一般病棟に異動した私が感じている主な特徴はこんな感じである。

看護師として働いていく上で、たとえ一般病棟での経験がなくても、それはそれで全然問題ないと思う。

実際に私の場合、初めての配属部署がICUかつ、約10年間をそのままICUで過ごすことで、一般病棟の経験がないまま10年のキャリアが完成してしまったわけだし、特段不自由を感じることはなかった。

とは言え、当時は一般病棟の勤務経験がないことを自分の「弱点」のように感じていたことも事実である。

看護師として経験年数だけが積み上がり、今さら一般病棟に異動しても役に立たないのでは…

なんて考えてもいたが、異動を経験した今となっては「こんなものか」と言った感じである。

いずみパパ
いずみパパ

看護師としての基礎さえできていれば、どの部署に配属になっても意外と「なんとかなる」もの。異動になったとしても、これまでの経験がなくなるわけではないのでそんなに心配しなくて大丈夫。

結局は、「患者の入院目的を果たすべく支援する」というのはどの部署でも同じで、そのために求められる役割が若干異なる程度の問題なのではないかと感じている。

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