仕事には、「身体労働」と「感情労働」と呼ばれるものがあります。
両者をくっきり区別することは難しいですが、
求められる役割や成果が異なります。
看護師として働いていると、「看護師は感情労働」
とよく言われますが、確かにその通り!
と思う瞬間が多くあります。
今回は、そんな看護師と感情労働の関係について
そして、バーンアウトを回避するための3つのポイント
に絞って解説していきます。
🟨 この記事を読むと
- 「感情労働」が何か分かる
- 看護師の感情労働の実際が分かる
- 燃え尽き症候群を回避する方法が分かる
今回は、以下の内容についてご紹介します。
感情労働って知ってるようで知らない
🟨 感情労働ってこういうこと
- 他人に「いい具合の」気持ちでいてもらうために
- 自分の感情をコントロールして
- 表面上、適切な態度で接すること
と表現することができます。
感情に流されている相手に対して、
その人があるべき心の状態を取り戻せるように
自分の感情を利用する
と言い換えることができます。
🟨 感情労働が求められる職業
- 医師、看護師、介護士などの医療・介護従事者
- 教師などの教育者
- 客室乗務員などの接客業
対人関係で、相手に何かしらの変化を促す職業です。
その中でも、看護師は代表的な職業です。
さらに看護師には、肉体労働、頭脳労働、感情労働といった
多様な要素が求められます。
感情労働と言われる場面
特に医療者は、病気・治療で不安や葛藤を抱く人を相手にします。
負の感情に流されがちな相手に、
ポジティブな支援を提供する必要があります。
🟨 感情労働と言われる場面
- 病気の発覚で動揺する人の精神面を支える
- 痛みや副作用に苦しむ相手と共に過ごす
- 患者や家族の考えが偏っていても、健康増進に向けた行動を促す
- 命に関わる問題で選択を迫られる
これらは、患者だけでなく医療者にとっても大きな負担です。
しかし、避けて通ることができない部分でもあります。
日常的な場面で言えば、
物忘れの多い患者の貴重品管理や
動けない患者のお茶汲み、食後の入れ歯の洗浄、
コップを清潔に保つことすら代行していく必要があります。
これらの業務に国家資格なんて必要ないはずなのに…
といった感情ですら横におき、日々笑顔で対応する看護師には頭が下がります。
相手の些細な悩みを汲み取り
「ちょっとした気遣い」によって課題を解決に導く
そんな役割が求められています。
感情労働を続けてすり減るのは自分の心
他人を優先し、自分の感情を押し殺していると、
気づいた時には、自分の心が不安定になっていることもしばしば。
これが感情労働の怖いところです。
感情労働の場合、提供するサービスが自分の感情です。
深入りしすぎると、偽りの感情だったはずが
あたかも自分の「真の感情」であると誤認する危険があります。
仕事上の対応を責められた際、
まるで自分自身が否定されたかのような錯覚に陥ります。
反対に、感情を割り切りすぎると
自分が不誠実な人間になったようにも感じ、
仕事が嫌になってしまう怖さがあります。
看護師は感情労働でバーンアウトしやすい職業である
バーンアウトは「燃え尽き症候群」とも呼ばれます。
これまで熱心に取り組んでいたにも関わらず、
急に気力が湧かなくなり
それ以上続けられなくなってしまう状況に陥ります。
🟨 バーンアウトするとどうなるか
- 心が疲れた/やる気が出ない状態になる(情緒的消耗性)
- 理由もなくイライラして周囲に配慮できなくなる(脱人格化)
一度燃え尽きると、
再びやる気を取り戻すのは至難の業です。
重要なのは、バーンアウトする前に回避行動が取れることです。
難しいのは、バーンアウトの前段階で、
自分が追い込まれていると自覚できない点です。
バーンアウトを回避する3つの方法
まずは、「自分が追い込まれている」と気付くことです。
「休みの日に仕事のことばかり考える」
こうなったら、注意が必要です。
そんな時は、以下の3点を心掛けるだけで、あなたの心は元気を取り戻します。
🟨 バーンアウトを回避する3つのポイント
- 完璧を目指さない
- オンとオフを切り替える
- 意識的な休息を確保する
真面目な人ほど、完璧を求めがちです。
多少の不備があっても、社会的には大した問題にならないことがほとんどです。
「完璧にやった」
という自己満足感を求めるが故に
自分で自分を追い込んでしまっているのです。
自分の中で「及第点」を6〜8割くらいで設定する
と心に余裕が生まれるのでオススメです。
あなたは、何をしている瞬間が最もリラックスできますか?
意識的に休息の時間を確保することで、あなたの心は元気を取り戻します。
「仕事の時は仕事を、休日には休息を」
こんな基本的なことですら、多忙な現代人にはハードルが高いものです。
あなたは、すでに十分頑張っている
休める時に、しっかり休むことです。
まとめ
感情労働は、自分の感情を優先しないことで
相手の心にポジティブな働きかけが可能になります。
一方で、押さえ込んだ感情が上手に発散できないと
心が疲れ果ててしまいます。
特に看護師は、真面目な人が多く、
相手と熱心に向き合う人が多いと言えます。
しかし、バーンアウトしてしまう人が多いのも事実です。
意識的に休息の時間を確保し
自分の心が元気になる方法を見つけておく必要があると言えます。
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