30代、男性看護師/特定看護師として働くIzumiです。
新卒でICU(集中治療室)に約10年間勤務し、その後循環器病棟に異動しました。
現在は2人の息子を育てながら、月に4回ほどの夜勤をこなし、家庭と仕事の両立に奮闘しています。
「看護師って大変だけど、やっぱり好きだな。」
そう思える瞬間があるからこそ、私たちはこの仕事を続けられるのだと思います。
ICUでは命の最前線に立つ緊張感を
病棟では患者の生活を支える看護を学んできました。
この記事では、男性看護師の私が思う「看護師の魅力とやりがい」について
私自身の体験を交えながら、ご紹介します。
ICUで学んだこと ― 命と向き合う現場

私の看護師人生は、ICUで始まりました。
新人の私は、まさかそのまま約10年間もの時間をそこで過ごすことになるとは、夢にも思いません。
ICUでは、いろいろな病気・怪我で治療が必要な患者と出会いました。
その中でも特に印象に残っている患者がいます。
🟨 バイク事故で心肺停止の青年
緊急手術で救命はできたのですが、片方の足がありません。
しかも本人は、そのことを理解していません。

テレビで見るような場面に遭遇し、戸惑ったことを覚えています。
本人が知ったらショックだけど、知らないわけにもいきません。
結局、意識がはっきりしてから本人に説明することになります。
ICUでしばらくの期間を過ごした彼と、後日院内で再会しました。
「あの時はありがとう。必死で支えてくれて」
言葉にできない感動とともに
「命を救い、元気にする」
これに関わる看護師という仕事は、改めて魅力的な仕事だと実感しました。
🟨 救うだけが看護師の仕事ではない
一方で、救えない命にも出会います。
努力を尽くしても結果が伴わないとき、
現代の医療でも救えない命がある、と虚しい気持ちも経験しました。
「最後までそばにいることも看護師の役割」
何をするでもない、ただそこにいる
それができるのは看護師の強みだと思います。
看護師は、人のそばで働き、人を支える仕事
学生時代に読んだ教科書では、あまりピンと来なかった看護師の役割。

実際に現場で働いて経験した今なら、看護師は「この言葉の通り」だと理解できます。
循環器病棟で実感した ― 人生に寄り添う看護

ICUでは緊張感のある毎日でした。
異動前の私は、一般病棟に異動すれば、その緊張感から解放されると本気で信じていました。
実際に異動してみると、全くそんなことはありません。その時の衝撃をいまだに鮮明に覚えています。
「気を抜く間もない忙しさ」

この仕事量を、本当にこの人数でやるのか
冗談であってくれと、真剣に思ったほどです。
ICUほどではないにせよ、一般病棟でもだいぶ具合の悪い患者が普通にいます。
一般病棟を甘くみていた自分が、いかに愚かだったか…
これも勉強だと、毎日必死にしがみついていきます。
🟨 長期的に患者と関わる仕事
業務に慣れてくると、循環器病棟の特性が見えてきます。
入退院を繰り返す「心不全」患者。
その患者の価値観や生活背景を含めた指導、ADL介助、検査・治療など
看護師に求められる役割は多岐にわたります。
「生活指導」と一言に言うが、何十年もその生活をしてきた人の生活を改善しようなど、ハードルが高すぎやしないか
これは私の心の声です。
しかし、実際のところ患者と真摯に向き合い、熱心に関わると患者は少しずつ変わることができます。
「こんなに自分のことを考えてくれるなら、ちょっとだけ言うこと聞いてみるか…」
きっと患者はこんな気持ちだと思います。

看護師が中途半端に関わっていれば、当然ですが患者は変わりません。
ICUとは違う「熱量」が一般病棟の看護師には求められている気がします。
患者の生活、大切にしていること、家族などのさまざまな背景を考慮して
病気を患った患者の人生をサポートする。
「病気を診るだけではなく、その人の人生全体を支えること」
同じ看護師でも、働く場所によって求められるスキルは異なります。
新しいことを経験し、学び続ける、ここに看護師の奥深さや面白さがあるように感じます。
看護師を辞めたいと思う瞬間もある

「看護師が好き」と思える私でも、これまでに何度も辞めたいと思ったことがあります。
- 残業続きで心身のストレスが大きくなった時
- 同僚や患者に理不尽なことを言われた時
- 患者や家族から重要ではないようなクレームを受ける時

看護師で、これまで一度も「辞めたい」と思わなかった人はいないのではないでしょうか。
特に異動したばかりの時期は大きなストレスを感じます。
私自身も慣れない業務に面白さは感じられず、残業ばかり増える生活が続いた頃、
真剣に看護の世界から離れたいと思いました。
それでも、現在まで看護師を続けらています。
「チームでいい仕事ができた時の達成感」
私はこの瞬間が大好きです。
看護師は多くの専門職と協力し、患者の人生に関わります。
いい仕事ができた時の達成感や充実感があるのは、看護師の魅力だと感じます。
家庭と看護師の両立のリアル


2人の子どもを育てながら看護師として働いています。
夜勤があったり、週末でも仕事になる日があります。
そんな日は妻に育児を任せきりになってしまい、申し訳ない気持ちになります。
一方で、看護師でよかったと思う瞬間もあります。
子どもの運動会や発表会などのイベントは、平日に開催されることが多々あります。
そんな時は、平日でも勤務調整が可能な働き方に魅力に感じます。
看護師を長く続けるためのコツ

看護師は好きだけど、それでも大変な時もあって、辛くなる瞬間もあります。
🟨 前向きに頑張り続けるためのコツ
- 完璧を求めすぎない
 「最善を尽くしたらそれで十分」と思えるようになってから気持ちが楽になりました。
- プライベートを充実させる
 趣味や家族との時間を優先することで、仕事への活力が生まれます。
- キャリアの選択肢を知る
 病棟以外にも訪問看護、外来、教育、研究など道は広がっています。今の職場が合わなくても「看護師に向いていない」とは限りません。
- 仲間を信じて支え合う
 辛いときは相談し、助け合う。これが燃え尽きを防ぐ最大の秘訣です。
人を支える仕事を続けているだけで、あなたは十分頑張っている。
自分を責めたり、頑張りすぎる必要は全くない。
看護師の仕事が大好きなあなたへ

看護師は責任が重く、時に心が折れそうになる仕事です。
ですが、その分「この仕事でよかった」と思える瞬間もたくさんあります。
患者の笑顔や「ありがとう」の言葉、仲間との絆。
それらが積み重なり、「看護師が大好き」という気持ちが生まれるのだと思います。
これを読んでいるあなたも、きっと同じように看護師という仕事に誇りを持っているはずです。
その気持ちこそが、患者を支え、あなた自身を成長させてくれる最大の力になります。
疲れた時こそ、そのことを思い返し、一緒に頑張っていきましょう。
まとめ
- ICUでは命と真剣に向き合う厳しさと責任を学んだ
- 循環器病棟では人生に寄り添う看護の大切さを実感した
- 「辞めたい」と思う日も仲間の支えで乗り越えられた
- 家庭と仕事の両立には悩みもあるが、「好き」という気持ちが支えてくれる
- 看護師には多様なキャリアの道があり、続ける工夫が大切
「看護師という仕事が大好きなあなたへ」
この気持ちを持ち続けられる限り、看護という仕事の奥深さを追求し続けられるのだと思います。
 
       
       
       
  
  
  
  


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