看護師国家試験は、毎年行われます。
過去10年の看護師国家試験の合格者は、6万2000人〜6万5000人で推移しています。
合格者が、そのまま全員就職するわけではありませんが、
それに近い数の「新人看護師」が毎年、誕生しています。
「新人看護師は大変、ストレスがすごい」
なんて言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。
私は看護師となって約10年、多くの「新人看護師」と関わってきました。
「いち早く成長する」新人看護師の特徴
そのために必要なポイントを厳選3選、解説していきます。
🟨 この記事を読むと
- 新人看護師の実態が分かる
- 指導者の視点が見える
- “上手に”成長するコツが分かる
今回は、以下の内容についてご紹介します。
新人看護師のストレスは本当に大きいのか?
「ストレスの大きさ」を見るのであれば、
離職率を確認するのが、分かりやすいと思います。
中堅看護師であれば、結婚などのライフイベントにより
職場を離れることもあります。
一方で、新卒看護師であれば、
よっぽどの理由がなければ、
初年度から離職を考えることはないでしょう。
データは、日本看護協会が「2022年病院看護・助産実態調査報告書」で示した数値です。
新卒看護師は、約10人に1人が新人看護師と呼ばれる段階で離職をしています。
この数は、決して低い数値とは言えないでしょう。
新人看護師のストレスの原因は?
では、どうして10人に1人もの割合で
新人看護師は職場を離れてしまうのでしょうか。
🟨 主な原因は、以下の3点
- 人間関係がうまく築けない
- 業務量が多く、仕事を覚えられない
- スキルがないのに、看護師としての責任が求められる
看護師の仕事は、チームワークが非常に大切です。
特に新人看護師は、先輩看護師から指導を受けつつ、
連携して業務をこなしていかなければなりません。
その一方で、社会人となったばかり、
礼儀や他者への配慮といった社会人基礎力が未熟とも言えます。
ここで苦戦する人が多いのも現状です。
🟨 看護師の業務量が多すぎる
「新人なんだし、一つ一つ丁寧に…」
その心掛けは大切ですが、実際には
同時に幾つものタスクを処理するスキルが求められます。
ゆっくりやっていては、仕事が回らない
特にスキル習得が未熟な新人看護師には、
この業務量の多さが、心身に大きなストレスを与えます。
🟨 人の命に直結する
薬の投与一つをとっても、ミスは許されません。
対象の患者は合っているのか、投与速度や投与経路は間違っていないか
といった具合に、確認する項目が多いため、
新人看護師にとっては、「ミスが許されない」
この環境がストレス源になっていると言えます。
人間関係を良好に保つ3つのコツ
ストレス原因の最大の要因とも言えるのが
「職場の人間関係」です。
人間関係が良好であれば、仕事のやりがいや満足度が高まります。
一方で、人間関係がギクシャクすると、仕事の継続に大きな障害となります。
新人看護師は、周囲から指導を受ける立場です。
そこで大切なのが、指導者に不快を与えない、一緒に働こうと思われるような姿勢を示すことです。
🟨 新人看護師が「人間関係を構築する」ための3つのコツ
- 挨拶する/話を最後まで聞く
- 自分から声をかける(オドオドしない)
- 一気に相手の懐に潜り込む(物理的に)
これは私の実践に基づくものでもあります。
自信がないと、先輩には声をかけにくいものです。
ですが、残念なことに、その態度は先輩たちにマイナスな印象を与えます。
「細かいことは分かってないけど、前向きに頑張っている」
姿勢が見えると、協力しよう、サポートしようと思えるものです。
🟨 怒りにくい距離感
物理的に近いにいる人間には、怒りにくいものです。
コツは、“一気に”相手の懐に飛び込み、オドオドすることなく声をかけることです。
私はこれを実践して、怒られる回数が激減しました!
🟨 社会人に求めるもの
相手(先輩)は、社会人としても先輩です。
挨拶しない、話を聞かない、提出期限を守らない
といった姿勢は、嫌悪されます。
看護師である以前に、自分は社会人である
と自覚し、適切な姿勢を身につけることがポイントです。
ストレス軽減には、まず「業務」を覚えること
「日々の仕事についていけない」
これも大きなストレスになります。
極端な言い方ですが、
業務の目的が分からなくても、まずは仕事を覚えて行動してしまう
「動ける」ことは自信に繋がります。
業務の目的は、実践しながら徐々に理解していけばいいのです。
参考図書>>
自力をつける学習法
「実践力」と「理解力」を分けて考える、ことです。
🟨 ここでの「実践力」と「理解力」
「実践力」は、業務をこなせる力
「理解力」は、目の前の出来事を理解する力
実践力は、日々の業務を行う中で、
試行錯誤しながら、経験を積むことでのみ強化されます。
一方で、何が起きているのか理解できる、
理解力は「自己学習」により、自らのペースで強化することが可能です。
🟨 オススメの学習法
実際に、私が新人の頃に実践した学習方法をご紹介します。
配属部署に関連した参考図書を用意します。
この本を、自分の空き時間に、「2回または3回通り読む」ことで、
体系的に知識を整理しました。
基本的な手法ではありますが、知識を点で覚えるのではなく、
その知識の前後をまとめて理解することで、
知識の定着が期待できます。
「その日、分からなかったことを調べる」
新人看護師に学習法を聞くと、大体このように答えます。
実感として、これでは実践にあまり活かされないようにも感じます。
数年後、私は「看護師特定行為研修」を受講しました。
この際も、特定の分野をまとめて、体系的に学習できるように研修自体が構成されていました。
一見、遠回りにも思える手法ですが、
経験上、この方法が最短で知識を習得する方法ではないかと思います。
関連記事>> 特定看護師になる方法|期待される役割について解説
関連記事>> 働きながら特定行為研修|受講動機と大変さ
参考図書>>
まとめ
「新人看護師」の仕事に対するストレスは大きい
と断言します。
その理由は、社会人1年目、職場で1年目、看護師1年目
全てが重なるため、この1年をストレスなく過ごすことなど不可能です。
🟨 ストレスに潰されないために
- まずは業務を覚えて、「動ける」ようになる
- 先輩看護師との距離感/関係性を良好に保つ
- 空き時間に、体系的に知識を詰め込む
参考になれば、幸いです。
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